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ポッドキャストで学ぶ韓国語 "サランヘヨ・ハングンマル!" <第65号>



mp3 ・オヌレ・ハングンマル065:テックォンドルルハゲッタゴ?
 ・韓国文化の部屋:秩序は違うものさしで測られる!(2011.7.6収録)

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最初に子供に社会のルールを教える、いわば「社会の窓口」である幼稚園で、一番最初にやっぱり家庭と同じく、長幼の序という〈家庭原理〉を教えていたわけです。

それゆえに、韓国人は、社会で結んだ関係においても、たとえ、一つ、二つしか歳が違わなくても、その人が目上であるという時には、「お兄さん」として、その人が箸をつけるのを待ってから食べるのが当たり前であり、目上の人を優先させるということが、社会の根幹にある秩序として、自然に行えるようになるわけです。

●韓国の地下鉄の乗り降りに隠れた原理!

問題は、そのように両国の秩序の中心が違うために、互いに自分のものさしだけを当てはめて、互いを「野蛮人」のように誤解して判断してしまうということが起こることです。

私たち日本人が韓国社会を見た時に、まず目にするのは、当然、交通規則をはじめとする社会のルールやマナー。そういうところでつまずきながら、「韓国人はなんて秩序がないんだ、教育がなってないんだ」などと判断するわけです。

私が初めて韓国に住み始めた頃、どうしても理解できなかったのが、地下鉄の乗り降りでした。日本では地下鉄構内にいつも、「降りる人がすんでからご順にお乗りください」というアナウンスが聞こえていて、降りる人が降り切るまで、誰一人、乗ろうなどということは考えもしないものです。

ところが、韓国では、降りようとしているのに乗ってくる人がいる。私はそれがどうしても理解ができなくて、その時、その場にいたおじさんに尋ねました。「韓国の人はどうして『降りる人がすんでから乗る』という規則を知らないんですか?!!」

すると、そのおじさんはこういったのです。「そんな規則は韓国人は誰でも知っているよ。当然、降りる人がすんでから乗らなければ、降りられないし、乗れないし、ぶつかって交通事故になるし、たいへんなことだ。だけど、韓国人は、自分が座りたいから乗るんだよ」

日本人なら皆、「そんなことが理由になるか!!」などと思うことでしょう。でもこれは、私たちが絶対的なこととして信じている規則の上がある、という話なんです。

すなわち、そういう場合、乗ってくる韓国人の頭に中にあるのは、「自分は『目上の人』なので、早く行って座らなければならない」ということであり、目の前の、降りようとしている人は、先を譲るべき『目下の人』なのです。降りる人の側から見ても、自分が降りるより先にその年配者を乗せてから後で降りる、という譲歩の余地があり得るわけです。

ただし、そのように乗ってくる人は、たいていは年配のアジュンマ(おばさん)です。おじさんには、やはり自分が座るということを主張できないプライドがあるし、それ以前に当然、先ほどのおじさんの言葉のように、韓国であっても「降りる人がすんでから乗る」という社会的ルールは厳然と存在しているからです。

つまり、社会でも皆の見る目が甘く、より規範に縛られていない「アジュンマ」を中心とした、許される「自己チュー」としてあり得ているわけですが、韓国人もそれは間違っていると知っています。そしてその行動が、現実に社会規範を緩めているし、たとえば子供が真似をしても大人が守っていないのに、子供をいさめることもできないというような状況になってしまっています。

ただし、だからとって、それが日本のように、無秩序だとか、無規範な状態、ということにまでならないのは、その社会的ルールという〈社会原理〉が決して絶対的なものではなく、その上にきちんと〈家庭原理〉的秩序というものがあって、それによってすでに秩序は保たれているからなのです。

つまり、いみじくも我が母がいったように、「韓国には、私たちの知らない礼儀がある」という話なのでした。

ちなみにこの「アジュンマ」の行動は、韓国の地下鉄の椅子を、今のように一人分ずつに分かれた構造に変えさせた原因だろうと思います。というのは、私が来た当事は、地下鉄の椅子は皆一つにつながっていたのですが、そのような状況で人の間に少しでも隙間が空いていると、おばさんがその空間めがけてお尻をめり込ませてきて、無理やり座ってしまい、たいへんなことになっていたからなのでした。^^)/

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